2013年1月14日月曜日

Rain Must Fall

・ビエンナーレ開催中の京都歴史文化博物館

論文が大詰めでいよいよ忙しい日々を送っているところなのですが、どうしても見たい展示が三条にある京都歴史文化博物館でやっているということだったので半ば強行軍で街に出てきた次第です。(忙しいのに加えて雨だったのでどうしようかと思ってんですけど、今日までだったんですよね...その展示。)


あ、ちなみに今日のタイトルはQueenの楽曲タイトルからの抜粋です。収録アルバムは1989年にリリースされた「ザ・ミラクル」。フレディ・マーキュリーが自身の病気についてメンバーに打ち明けた直後のアルバムということでメンバーの結束が強まった結果か、捨て曲ゼロの極めて完成度の高いアルバムに仕上がっています。このアルバムから曲のクレジットがメンバー名義になったので、たとえば今日のタイトルの曲を誰が作ったのかは明らかになっていませんが、作風からジョンディーコン(ベースのひと)なんじゃないか?とファンの間では専らの噂です。



閑話休題。今日僕が見てきた展示というのは「八瀬童子 ー天皇と里人ー」というものなのですが、八瀬童子と聞いても恐らく殆どの人がピンと来ないんじゃないかな?と思います。先日の東京都知事選で当選した石原慎太郎の腰巾着猪瀬直樹さんがかつて小説で取り上げたりしたことから知っている人は知っていると思うのですが、八瀬童子というのは山城国愛宕郡八瀬郷(現在の京都府京都市左京区八瀬)に住んでいる比叡山延暦寺の雑役や駕輿丁(輿を担ぐ役)を務めた村落共同体の人々のことであり、室町時代以降は天皇の臨時の駕輿丁(かよちょう:朝廷に属し、主として天皇の行幸の際にその輿を担いだり、輿の前後につけた綱を手にとったりして行歩した下級の職員の呼称)を務めるなど、天皇家と深いつながりを持つ集落としてその名を知られています。

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八瀬童子の名を広めることとなった上述の猪瀬さんの小説、「天皇の影法師」では、歴代天皇の棺を担ぐ人たち...といった按配で紹介されているのですが、これには少し語弊があり、実際には後醍醐天皇以降の全ての天皇の棺を担いだということではなく、特に近世に至ってからは長く断絶していた時もありました。その後明治天皇の崩御の際には、棺を陸軍が持つか海軍が持つかで対立が起こった(←悉く仲が悪い陸軍と海軍ェ...)ことからこの風習が復活することとなり、これは対象天皇の崩御時にも踏襲されるところとなりました。昭和天皇崩御の際には棺が自動車によって運ばれることとなったためにこの役目をすることはありませんでしたが、オブサーバーとして葬儀には付従したようです。


・あ、今年初のtimepiece cafeですw(タコライスランチは980円也)

で、今回の展示は2010年に国の重要文化財に指定された「八瀬童子関係資料」と名付けられた一群の資料からおよそ70点が展示されるというもの。資料は古文書・絵画・装束・写真など多岐にわたり、なかなか見応えのあるものでした。(と言っても殆どが資料の展示なので、多分ある程度の知識・興味・関心がない人にとっては恐ろしく退屈なものであることは否定できませんがw)

・ライトアップもなかなか良いものですね...


まぁでも博物館のライトアップは何も知らなくても楽しめると思いますので...。まだまだ寒い時期が続きますが、暖かい美術館で芸術や文化に触れてみるのもいいと思いますよ。そんなところですが、本日はこれにて失礼します,ジベリ!

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