2011年5月11日水曜日

〔盗人に〕政党助成金〔追い銭か?〕

政党助成金についてこないだの記事で少しだけ触れていたのですが、廃止論について色々と意見を貰っていたので、今日はもう少し深い説明をしていきたいと思います。ということで、今日のテーマは「政党助成金」,みなさんで勉強していきましょう!


1、基本情報
政党助成金制度は1990年代のいわゆる政治改革論議の中で浮上し、1995年,つまり村山自社さ連立内閣時代から実施されます。当時は丁度,阪神大震災の直後であり、これが始まる当初も「復興にお金が必要なときに何を考えているんだ!」という根強い反対世論はありました。この制度の口実となっているのは企業・労働組合・団体などから政党・政治団体への政治献金を制限する‘民主主義のコスト’という考えなのですが、ここまでの説明で納得できる人居ます?


2、ここがヘンだよ!政党助成金
ところで政党助成金の配布を以て企業献金は廃止されたのでしょうか?いいえ廃止されておりません。そして95年以降も政治家の汚職は無くなる気配がありません。そこにあの政党の登場です。民主党は2009年衆院選のマニフェストで企業献金の原則廃止を公約に掲げます。

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企業・団体献金の全面禁止
(参照:http://www.dpj.or.jp/policy/manifesto/seisaku2009/05.html

企業・団体献金を禁止し、政治不信を解消します。政治資金規正法を改正し、その3年後に企業・団体の献金およびパーティー券購入をすべて禁止します。それまでの当面の措置として、①国や自治体と1件1億円以上の公共事業や物品納入等の契約をしている会社等の献金およびパーティー券購入、②現在献金のみ禁止されている会社等(国・自治体から補助金や出資等を受けている会社や赤字会社等)のパーティー券購入などを禁止します。

また、企業・団体がその役職員等に対し、雇用関係等を不当に利用したり、会費相当額を支払うことを約束して政治団体の構成員となることを勧誘し、かつ当該政治団体に献金等をさせることを禁止します。あわせて、個人献金を普及促進させるため、現在認められている優遇措置に加えて年間千円から5万円までの献金については全額を税額控除の対象とします。また、ネット献金の推進を図ります。(以上、2009年マニフェストより引用)
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公約通り政権交代後,民主党は一旦は企業献金を受け取っていませんでした。しかし昨年10月末にこれを覆して受け取りを一部再開したのです。各方面で公約破りの目立つ民主党ですが、ここでもまた国民を裏切っていたのですね。(この辺のいざこざも3.11の大震災で吹っ飛んじゃいましたが、賢明な国民はちゃ~んと覚えてますので悪しからず...。)


3、海外では?
海外にもこうした「政党助成制度」のある国は存在します。スウェーデンやフィンランド,或いはイギリスやフランスが有名です。(因みに世界で最初にこの制度を開始したのはスウェーデンで1965年)ちなみにアメリカにはありません。イタリアでは1993年に国民投票を以て廃止されました。更に言えばイギリスではその用途が政策立案に限定されており、金額ベースで見ても極めて少額です。またフランスではこれと引き換えに企業献金が全面禁止されています。 (因みに下は金額ベースで見る政党助成金の各国比較)


 ・金額ベースで見ても日本は際立って高いことが分かる(しんぶん赤旗WEBより)


北欧では大方この政党助成制度が功を奏したようで、スウェーデンやフィンランドといった国々は政治のクリーン度が極めて高いことで有名です。日本では1995年にこの制度が始まったワケですが、それから16年経つ今日、「政治とカネの問題」は解決されましたか?いいえされていません。‘民主主義のコスト’というならば、そのコストを背負っている我々国民にそれ相応の誠意を見せるのが筋というものではないでしょうか?


4、まとめ
これを議論する上で考えなくてはいけない問題は、政党を私的結社と見るか公的結社と見るか...という問題です。政党というものは不思議なもので、その規模が拡大すればするほど公的性格が強くなるのです。それでも僕はやはり現在の政党助成金制度には反対ですが、イギリスのように政策立案に用途を限った小額のものであればあってもいいのかな?と今回の記事を書くにあたって考えました。ただやっぱり今年は返上するべきでしょう。企業だって色々な手当がカットされている昨今です。国会議員だって例外じゃないでしょうよ?と僕は最後に言っておきます。今日はこれにて失敬,ジベリ!

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