この映画を初めて見たのは丁度今年の1月でした。Twitterではちょっと話に出してたのですが、まぁいわゆる「泣ける映画」なんですよね。恋愛モノでそんなに泣くほうじゃないんですけど、これに関しては泣かない人なんているのかな?っていうくらいです。丁度クリスマスってことで改めて昨夜この映画を見てたんですが、見事に同じところで泣いてしまいましたw でも多分1度でもホントに本気で恋愛してたら泣けると思うんですよね、この作品って。ちなみにこの映画、原作は越谷オサムさんという小説家が2008年に書いた同名の小説。恋愛モノというと恋愛モノなんですが、もう1つ言うとファンタジー小説のような側面もありますね。あまり言うと観る楽しみがなくなってしまうんですけど、まぁヒロインの渡来真緒にちょっとした秘密があるということだけ言っておきましょうか。
ざっとあらすじを説明すると、主人公の奥田浩介と真緒が出会うのは中学生の頃。勉強を教えたりと一緒にはいるものの付き合ってはいない2人。程なくして浩介は東京へと引っ越すこととなり離れ離れに。時を経て取引先の社員同士という形で再会した2人は付き合うことに...といった具合でストーリー自体は結構ベタなんですが、やはり鍵はヒロインの真緒ですよ。この設定はありそうでなかった、その意味でも感心してしまうんですよね。
さて恋愛モノということで、今日はちょっと恋に関する格言を1つ紹介したいと思います。恋愛に関しては沢山の格言がありますが、僕が「これが一番だ」って思うのは銀魂で我らが桂小太郎が残した次のような台詞なのです。新型ゲーム機の購入権をめぐって争うことになった万事屋チームと真撰組チーム。あらゆるギャルゲーをやり尽くした自分に敵はいないと自信満々に恋愛ゲームでの戦いに名乗りを上げる近藤勲に対抗して登場した「しがない配管工」のスーパーカツオもとい桂は恋愛ゲームに絶対の自信を見せる近藤にこう言い放つのです。
「一分の無駄もないとは笑わせる。恋愛それそのものが無駄からできていることを知らんか。無駄に胸をざわめかせ無駄に不安がり無駄にあがき無駄に終わってゆく。だが、それが無駄なことだったと誰が言えようか。 …いや、その無駄にこそ人生の全てはつまっているのだ!」
結果だけ言うと、真緒は浩介の前から...というよりは世界から消えてしまうのです。存在自体がなかったことになるので少しずつ周りの人の記憶から真緒の存在は消えていき、覚えているのは浩介だけという状態になり、最終的にはその浩介の記憶からも真緒は消えてしまうというのです。しかしそれでも浩介は真緒をデートに誘います。そんなことをしても意味がないと真緒は一度は拒むのですが、それでも「行こう」という浩介に真緒はこう言います。
「人間だったら無駄なこともしないとね。」
恋愛だけではなく、人間はしばしば無駄なことをしたがります。しかし桂のセリフにもあるように、無駄にこそ人生の全ては詰まっているのです。たとえ「なかったこと」になるとしても、そんなの関係なしに今を楽しむ。江ノ島で最後のデートを楽しんでいる2人を見ていると、どうにも泣けてくるのです。記憶からこそ消えませんが、どんな2人だとしても別れてしまったらそれまでのことの全てが無意味に思えたりします。しかし意味のないことなんてないんですよね。たしかに思ってたハッピーエンドは訪れなかったけど、最後にはお互いの顔を見るのも嫌になるかもしれないけど、それまで重ねてきたことにはちゃんと意味があるんですよ。そのときの辛い気持ちが事実としてあるように、笑い合ったそのとき、幸せだった時間がそこにあったのもまた1つのたしかな事実。無駄だけど無駄じゃないんですよ。きっとそこにちゃんと意味があるんだと思うんです。
原作は「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」なんて触れ込みで売られていたようですが、成程その意味はよく分かります。というか男女問わず、これは1度でも本気で人を好きになった人であれば泣くんじゃないかなと思うほどです。で、もう1つこの作品を盛り上げているのがビーチボーイズの挿入歌「素敵じゃないか」ですよ。もうこの映画見た直後だったらあのイントロだけで泣けてきます。
・Wouldnt it be nice(The Beach Boys)
https://www.youtube.com/watch?v=SnQZBQSHKR0
丁度ここに日本語字幕付きの動画があるんですけど、歌詞がいちいち良いんですよね。(この歌詞がまた作品の世界観とリンクしていて余計にね...)ということで、今まさに恋愛をしている人には勿論のこと、最近ちょっとそういうのとは無縁の人にも是非とも見て貰いたい映画「陽だまりの彼女」。あ、見るときはパトリオットを携帯しておくことをオススメします。それでは皆さん、ハヴァナイスデー!
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