2016年4月15日金曜日

ムヒカとRK大将



つい先日まで日本に滞在していたウルグアイの元大統領ホセ・ムヒカさん。2012年に国連で名演説を行い、以降巷では「世界一貧しい大統領」なんて言われることもあるこの方なのですが、日本では様々なことを発言していたようです。そしてそのどれもが我々に対して大きな問題提起となっているように思います。

1、安保法は「大きな過ち」
ムヒカさんは「憲法の解釈を変えたのは、日本が先走って大きな過ちを犯していると思う」と、昨年安倍政権が大きな反対世論を押し切って採決した安保法制について批判しています。

・ムヒカ氏、安保法「大きな過ち」(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016040702000075.html

ご存知ない方のために言っておくと、ホセ・ムヒカという人物は元々ゲリラ戦士でした。チェ・ゲバラに触発されて労働争議などで当時の独裁政権と対峙。4度の投獄、2度の脱獄とその生涯はまさに波乱に満ちていると言えるでしょう。特筆すべきは72年の投獄。以降ムヒカは13年もの月日を獄中で過ごしているのです。(投獄中には拷問も耐えなかったといいます...。ちなみに奥さんのルシア・トポランスキーさんと知り合ったのも、その闘争の最中なんですって。素敵なお話ですね^^)

・ゲリラ活動期のムヒカさん

軍事政権の崩壊を経て出所したムヒカはゲリラ仲間らとともに左派政治団体を結成。95年には下院議員に初当選。その後2005年には農牧水産相として初の入閣を果たし、そして2009年の大統領選で見事大統領に。2015年の3月に任期満了で退任し今に至る...ということなのですが、こういう人こそ今のこの世界に必要なのです。しかしながらムヒカさんの言葉は我らが大将を想起させますね。

「私たちには戦争を終わらせる義務がある。それは世界の若者が完成させなければならない大義であり、可能なことだ。」

これ、もしもリチャード・コシミズさんの言葉だと聞いても疑いませんよ。コシミズさん率いる独立党や或いは我々志士会のやっていることも一種のゲリラ活動ではありますし、ゆえに同じものを見ているのかもしれません。ムヒカさんは分かっているんです。この世代だけじゃ戦いが終えられないことを。だからこそ次の世代に意志が受け継がれることを切望しているのでしょう。意志が受け継がれる限り、人は死なないんですよ。


2、「テレビを疑え」
ムヒカさんは東京外国語大での質疑応答で様々な質問に答えているのですが、その中にはこんなものもあったようです。それは「テレビと政治の関係についてどう思いますか?」というもの。それに対してムヒカさんは「テレビに必ず疑いの目を持つこと」とした上で、情報を判断する力の必要性を訴えたのだとか。ちょっとここで見てもらいたいデータがあります。

・ここまでとは...(参考映像資料はこちら

これは主要国における国民のマスコミ信頼度なのですが、日本は突出して高いんですよね。しかも2000年→2005年の推移でその数値は上がっています。TPP報道や3.11で流石に目が醒めた人も多々いらっしゃると思うので流石に今もこうだとは思いたくないのですが、おそらく依然として高いんじゃないかな?というのが僕の大凡の見解です。ムヒカさんはこのことを知っていたかもしれませんし、知らなかったかもしれません。ただ何れにせよ、情報というものが精査してこそ意味のあるものだというのは紛れもない事実。精査なしではどんな情報も意味を成さないのです。




だからジャーナリストに出来るのは、少しでも多くの情報を、そして少しでも多くの情報の見方を人々に提示すること。そこから先は基本的には情報の受け取り手である市民に委ねられるのです。加えて言えばそれを受け取った市民のリアクションを伝えるのもジャーナリストの仕事ではありますが、そうした意味でも絶えず市民とかかわり合わなくては出来ない仕事であるということには間違いないでしょう。




権力と対峙し、そしてトップに立ってもなおその生き方を貫き通したホセ・ムヒカという人物。権力の魔物に魂を売ることもなく、その役目を全うし任期の満了を迎えると退任。何ともカッコいいではないですか。こういう生き方をしたいものです。ムヒカさんに関しては、上記のような絵本も出ているようなので、親御さんは是非ともこの本を買ってあげて、そして読み聞かせてください。そういうところから始めましょう。(ということで大将もそのうち絵本出さないかなw?)そんなところですが、本日はこれにて失礼したいと思います。ジベリ!

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