1967年は、ロック史を語る上で、外せない年です。世に、『サマーオブラブ』と呼ばれたこの年。
きっかけとなったのはベトナム戦争への反戦運動でした。それはそのまま、機械化した世界の体制への反発でもありました。アメリカの各地では、「ヒッピー」と呼ばれる人々が政治集会なのか、コンサートなのかよく分からないイベントを各地で執り行いました。
そしてミュージック・シーンでは、サイケデリック・ロックと呼ばれるアシッド感やトリップ感覚に富んだ楽曲が次々と発表されたのでした。ピンクフロイドがデビュー・アルバムを出したのはそんな年でした。もっとも彼らの活動はその前からアンダーグラウンドを賑わせていました。あのジミ・ヘンドリクスも、彼ら(特にギター・ヴォーカルのシド・バレット)を賞賛していました。この動きは次第に快楽主義的傾向を強め、半ば何でも有りになっていたのも事実でした。有名な1969年のウッドストック・フェスティバルでそれは過渡期を迎え、そしてオルタモントでの悲劇ともいえる事件(ローリングストーンズのギグ中に乱痴気騒ぎで死者が出てしまった)などで、人々は次第に現実に引き戻されます。そして、イーグルスの『ホテル・カリフォルニア』(1976年リリース)は、そんな状況への挽歌ともいえるものになりました。「1969年以来、スピリットは置いていません」という一節(スピリットは、「酒」と「精神」を掛け合わせたものになっている)は、あまりにも有名です。
その昔、中国の西晋時代、老荘思想の流行から、快楽主義が全盛を迎えた時代がありました。「元康年間」と呼ばれる時代です。この結果、コントロール不能となった王朝は、ついに滅亡し、中原の地から追放されました。何だか似てません?やっぱり歴史って繰り返すんですね。快楽主義の行き過ぎは自殺行為です。っていうか何でも行き過ぎはいけません。「限度」って大事なんですね。
Eagles - Hotel California→http://jp.youtube.com/watch?v=IBJTNx5qrVU&feature=related
Pink Floyd Interstellar Overdrive Live 1968 →http://jp.youtube.com/watch?v=di4FRAEe2UY
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