2014年7月27日日曜日

地方紙の逆襲(最終回):民意の逆襲

ということで、今日はいよいよ「地方紙の逆襲」の最終回をお送りします。(←多分続いてたこと殆どの人が忘れてるぞw)最終回ということで今日は別段何か新しい情報を出すというよりは、全体の統括が中心になるのですが、最後まで読んで頂けたらと思います。


1、全国紙消滅
少し前に、朝日新聞社の今年の新入社員から東大卒が消えたというニュースが話題になりました。読売新聞や毎日新聞がどうかは知りませんし、そもそも元から大卒レベルの知性と品位を持った人間がいたかどうかすら怪しい産経新聞は論外と考えますが、ともあれこれは1つの大きな指標になっているのではないかと思います。

・朝日新聞社の新入社員、今年は「東大卒ゼロ」(プレジデントオンライン)
http://president.jp/articles/-/12454

昨今「若者の○○離れ」という言葉が散見されていますが、その1つとして新聞離れがあるのは疑いようのないことでしょう。いや、それどころか全年代で新聞離れが起こっているような気さえしますからね。だってちょっと思い出してみてくださいよ、たとえばほんの5~6年前だったら、朝の電車は新聞を読むサラリーマンで溢れてたじゃないですか。それが今はどうですか?学生は元より、年配の方までもがスマートフォンをじっと見つめているのです。(紙媒体では精々、日刊ゲンダイを読んでいる人が数人居る程度でしょう...)そして事実として全国紙は確実にその部数を減らしています。

・【新聞終了】読売新聞が半年で52万部減、朝日新聞も9万部減!減少数は地方の新聞社に匹敵! (真実を探すブログ)
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-2734.html

一般的に左寄りとされる朝日と一般的に右寄りとされる読売がともに部数を減らしているというのが象徴的ですね。残りの2つの全国紙である毎日と産経ですが、毎日新聞は発行部数の7割が押し紙なんて言われてる上に、創価学会とベッタリというテイタラクですから論外といって差し支えないでしょうし、産経は数に入れていいのかも微妙なくらいのものなのでこちらもノーカンでいいと思います。つまるところスタンスの左右を問わずして全国紙は斜陽産業と化してしまっているのです。そうなっているのは何故か?言うまでもなくその論調に原因があるのでしょう。(ここは連載の前半で説明しましたよね^^)


2、地方紙とて安泰ではない
上述のとおり全国紙がオワコンなのは間違いないこととしても、では今回の連載の主題である地方紙が全くの安泰なのかというと、そうではないだろうというのが僕の持論です。地方紙の論調が比較的まともなものとなっているのは、各々の新聞社が確固たる意思を持って新聞を作っていることの証左と言うよりもむしろ企業の「構造」に依拠するところが大きいのであり、あまり安心はできません。こないだの記事でも言ったことですが、たとえば大手広告代理店の影響の問題は地方紙にも共通する問題ですし加えて言うならば、たとえば全国紙と政府の距離感が異常に近くなっているのと同様に、地方紙も各地方のセクターとの距離は極めて近いものとなりがちです。

その意味では、やはり東京(中日)新聞というのは稀有な存在なのでしょう。他の地方紙でも頑張っているところは沢山ありますが、やっぱり一番スタンスが固まっているのはここなんですよね。だからこそ3.11以降、ここは注目されているのだと思います。ともあれ新聞も雑誌も売れなくては意味がありません。つまり東京新聞のような新聞が「売れる」という認識が広まれば、我も我もとそのスタンスを真似するところが出てくるのです。そういう現象が必ずしもいいこととは思いませんが、少なくともこの件に関しては良いことなのではないかな?というのが僕の所感です。


3、民意の逆襲
僕は今回のタイトルを「地方紙の逆襲」としましたが、その真意はまさしく「民意の逆襲」だと考えているのです。霞ヶ関や高所得者、グローバリストの代弁者と化した全国紙に対して、それなりに民意を反映している地方紙に注目が集まっている...というのが現状であり、それ以上でもそれ以下でもないのです。

では、これからメディアはどのような自己変革をしていくべきなのでしょうか?僕は次の2つを提案します。1つ目はグローバリズムへの対抗軸としてのメディアをどこかが確立するということです。別段それを全国紙がやってもいいのですが現状それは難しそうなので、であるならば地方紙の出番ということです。まずは東京新聞(中日新聞)あたりが動けばいいでしょうか?関西圏では神戸新聞くらいを中心にするといいでしょう。そうして全国各地の地方紙が合従連衡しつつ、一大勢力を形成していくことができれば、市民にとっては心強い味方となるでしょう。(そこにコシミズさんや岩上さん、或いは上杉さんのような独立系のジャーナリストが協力していく形を作ることが出来れば一層良いのですが...)

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そしてもう1つ、これはいわゆる「上からの改革」になるのですが、かつて民主党が着手しようとして失敗したクロスオーナーシップの規制を真剣に考えるということです。おそらく強力な反発があると思いますし、一朝一夕に終わるような改革ではないでしょう。ここで重要なのは、これを支える土壌をアカデミズムの世界や世論の中に作っておくということです。鳩山政権時にこれが失敗した要因は多々あると思うのですが、そのうちの1つはやっぱりそれを下支えする世論が十分に構築できてなかったことだと思うんですよね。原発の再稼働だって今なんとか止められてるのは、やっぱり官邸前デモなどに代表される国民的な大運動が背景にあるからなんだと僕は考えてるんですよね。勿論それだけではないのでしょうが、少なくとも一定の抑止力にはなってると思うんです。近々また書こうと思っている沖縄のこともまた然り。辺野古移設がここまで滞っているのはやっぱり沖縄の中に「反基地」という根強い民意が根付いているからなのでしょう。(やはりそうした意味では鳩山政権の意義というのは大きいのでしょう。)


~おわりに~
そもそも小沢事件が起こったとき、本来であればアカデミズムの世界が総力を挙げて小沢擁護に周るべきだったのです。国民運動として「鳩山政権を擁護しよう」というメッセージを訴えていくべきだったのです。それがなかったからこそあの政権交代は「裏切られた革命」に成り下がってしまったのではないでしょうか?

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皮肉にもあの「革命」を裏切ってしまったのは僕らひとりひとりなのかもしれません。(その意味では鳩山さんの「国民が聞く耳を持たなくなった」という首相辞任時の弁もあながち間違いではなかったのかもしれません。まぁ本人がどういう意図で言ったのかは察しかねますがw)まぁ終わったことは仕方がありません。今やるべきことは来たる国民連合政権の樹立を下支えする土台をアカデミズムや国民運動の中に作っておくことです。TPPに反対し、脱原発を実現し、消費増税を白紙にし、外国の喧嘩を買いに行くだけの集団的自衛権を認めず、そして自立した国家を実現する。そういう国造りを皆でしていく必要があるのです。そしてその運動に、我が憂国志士会も全力で飛び込んでいくことを約束します。そんなところではありますが、これにてこの連載を終了したいと思います。皆さん最後まで読んでいただいてありがとうございました、ジベリ!

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