2015年5月9日土曜日

石黒酒場でジャーナリストの基本を再認識した話。

今日は4か月ぶりに石黒酒場に行ってきました。今回のお客さんは僕を含めて2名のみ。(まぁ、あくまで僕の滞在時間だけの話ですがw)もう1人のお客さんというのは月桂冠酒造に勤めている方で、1月の来訪時にもいらっしゃったのを覚えています。(何でもほぼ毎週来ているほどの常連さんなんだとか^^)

・在りし日の月桂冠北蔵

お酒が進み、トークテーマは伏見のまちづくりに。この際ということで、僕は予てから気になっていたあることを聞いてみることに。それが上の写真にある月桂冠の北蔵のこと。このブログでも以前に言ったように、ここは近代産業遺産にも登録されていながら去年取り壊されることとなってしまったのです。


正直なところ、今日おっちゃんの話を聞くまでは「天下の月桂冠が何やってんだ」という気持ちだったのですが、話を聞いてみてそれが間違いであることに気付かされました。結論から言うと月桂冠のやったことには何ら落ち度はなかったのです。そもそも北蔵は生産拠点でもなく大倉記念館(←どうやらこれも赤字経営なんだとか...)のような観光資源でもありません。ただ歴史的価値のあるものというだけで、月桂冠という会社に何かしらの利益をもたらすものではありませんでした。




加えて言うと取り壊しに反対する人々のサイドも極めて弱かったことが明らかとなりました。周辺住民は「景観守れ」、「取り壊し反対」とは言っていましたが、声を上げるだけで何か行動を起こしていたワケではありませんでした。何かしようと思えば出来たはずです。たとえばクラウドファンディングという手法があります。これは群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、具体的には不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指すのですが、これを用いて補修やリノベーションをして、別の活用法を見出すということだって出来たはずなのです。

・都市計画、戦時の企業統制… 京都の酒蔵減少、背景解説(京都新聞)
http://t.co/NpGZVin7p1

これは4ヶ月前の京都新聞の記事なのですが、京都市内にはもともと酒蔵だった場所をライブハウスに改装した場所が2つあるんですね。1つは3年前に音速ラインのライブで行った拾得(じっとく)というところで、もう1つはこちらも有名な磔磔という場所。記事曰く、それを可能にしたのはヒッピー文化に基づく若者の活気だったようなのですが、今はそういう力が弱いのでしょう。もし当時のような機運があれば結果は違ったかもしれません。(しかも今はネットがあるのですから^^)

・「日本最古のライブハウス」とも言われる拾得(上京区)

それからもう1つ。現行の近代化産業遺産の在り方、これも大いに問題なのです。近代化産業遺産は経済産業省の管轄なのですが、これに指定されたからといって何か金銭面で補助が出るワケではないので最終的には所有する企業任せになってしまうのです。「景観を守れ」というのは簡単ですし、もちろんそれは大切なことなのですが、それを実行するためにはお金が必要なのもまた1つの事実。

・帰りに高架下でたこ焼きを買った^^

物事というものは往々にして1つの側面からだけでは判断できないものです。だから多角的な味方が必要であり、それを身につけるためにはいろいろな人の話を聞くことが大切。そして人の話を聞くにはそれ相応の知識が必要。美味しいお酒と食事のほかに、ジャーナリストとしての原点を再認識できた極めて有意義な1日でした。明日は京都新聞社の説明会に行ったあと、そのまま十三にビートモーターズのライブ(対バン)を観に行きます。今から楽しみでしゃあないのですが、今日はとりあえず寝たいと思います。それでは皆さんおやすみなさい、ジベリ!

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