ということで週刊ニュース、今週は木曜にお送りします。世に流れるニュースは良くも悪くもまさにトランプフィーバーといったところですが、ここいらで1回トランプに関してあまり報じられていない部分を中心に書いていきたいと思うのです。そしてもう1つ、TPPに関してもお伝えします。あと最後の1つはまぁおまけ的なものとして捉えていただければ幸いですw
1、トランプ大統領誕生!
①大手マスコミの大敗北
現地アメリカのメディアは勿論のこと、日本の主要メディアもこぞってヒラリー優勢を報じていたのですが、それが蓋を開けてみればこのテイタラク。まぁジャーナリスト個人に限って言うと木村太郎さんなどはトランプ当選を予想してましたし、上杉隆さんも早くからそのことを報じていました。
ま、辛坊治郎さんなんかは完全にあちら側の回し者ですし、 事実が報じられなくてむしろ当たり前みたいなところはあるのですが、トランプ当選後の各新聞の社説も酷いものでした。全国紙はハナっから見るつもりもなかったのですが、まぁ中でも1番酷そうな産経新聞を見てみましょうw
・日本は防衛努力を強める覚悟持て 規格外の人物登場「トランプ・リスク」は不可避だ
http://www.sankei.com/column/news/161110/clm1611100001-n3.html
大統領就任時に、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの離脱を宣言するとした点は見過ごせない。米国の脱落はTPPを無にする。あらゆる国の経済が密接につながる中で、自由貿易を推進する経済連携を否定するなど、米国の成長に資するはずがない。TPPの戦略的な意義も再認識してほしい。覇権主義的傾向を強める中国ではなく、日米が軸となってアジア太平洋の新たな経済秩序を築く。その役割を放棄するなら、米国への信頼は失墜する。
実は
産経新聞は結構早い段階からTPPを推進してきた生粋の売国メディアなのですが、注目すべきは赤い太字にした部分。ウィキリークスがTPPの本質をアジア経済圏の分断にあるという情報をすっぱ抜いたのは何度も言及した通りなのですが、どうやら産経はTPPを中国包囲網(笑)の一貫と位置づけているようなのです。中国包囲網なんざ安倍やその周辺の信者の妄想に過ぎないのであり現に全く機能などしていないのですが、どうにもめでたい頭を持った人がいたものです。
ま、何度も言いますけどこういうことなんですよ。根本的に言えば‘現在の中国’は別に日本の敵ということではありませんし、友好な関係を結ぶことの好ましい国なのです。そりゃたまに反日的な人も居るでしょうが、それは我が国にもネトウヨが居ますので別に取り立てて問題にする必用はないでしょう。ともあれ次は
神戸新聞を見てみようではないですか。
・トランプ氏当選/「史上最も醜い戦い」の末に
http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201611/0009652508.shtml
オバマ政権の下、米国経済がリーマン・ショックの混乱から立ち直る過程で取り残された人々がいる。不安定な生活を強いられ、「強いアメリカの復活」を訴えるトランプ氏に共鳴する白人労働者たちだ。既存の政治家には期待できない、一部の特権階級のために働いていると考える。民主党の代表選挙で「政治革命」を掲げたバーニー・サンダース氏を支持した若者たちもそうだ。
クリントン氏はこうした声に配慮し、富裕層への課税や中間層を押し上げる政策、教育への支援を打ち出した。だが、ウォール街から多額の献金を受け、既得権益を守る政治家の代表格というレッテルをはがすことはできなかった。女性候補への抵抗感が根強かったとの見方もある。
過激な発言で注目を集めたトランプ氏は米国第一主義を掲げ、不法移民の強制送還や保護主義的な貿易政策など内向きな訴えを繰り返してきた。難民の受け入れにも否定的だ。とはいえ、公の場で政策らしい政策をほとんど口にすることはなく、雇用創出策についても不透明だ。
まず「公の場で政策らしい政策をほとんど口にすることはなく、雇用創出策についても不透明」というのは大嘘です。何度も言っているようにトランプは金融資本や多国籍企業への規制強化や富裕層への増税などサンダースと似通った政策を打ち出しているのであり、そのことが支持者のバッティングを引き起こしているのですが、そこについても全く触れず。そもそもオバマが権力側に取り込まれて(というか元々権力側の駒の1つに過ぎなかったのだが...)、何もchangeできなかったという事実についても触れず。正直こんなバカバカしい社説を書くような新聞社とは思いませんでした。それからこれは後ほど詳しく書きますが、アメリカ・ファーストを米国第一主義と捉えるのはニュアンス上ちょっと違うんですよね・・・。ま、それはさておき次は
沖縄タイムスを見てみたいと思います。
・社説[トランプ氏当選]怒りをどこに導くのか
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/70461
トランプ氏は日米関係に触れ、「安保ただ乗り」論を批判した。「米軍の駐留経費負担を大幅に増額しない場合は米軍を撤退させる」「中国や北朝鮮への対抗手段として核兵器保有を容認する」とも言っている。日本の歴代政権が自明のこととしていた日米安保が流動化する可能性がある。米軍普天間飛行場の辺野古移設問題を見直す絶好の機会にすべきだ。未知数のトランプ氏へどう対応し、どう働き掛けるか。沖縄も検討を急がなければならない。
まぁ全体としてみればあまり大したことは書いてないのですが、この部分は沖縄らしいなと思いますね。翁長知事は早速トランプとの会談を考えているようですが、これが1つのエポックになることを願うばかりです。
②アメリカ・ファースト=国民の生活が第一
これは副島隆彦さんが最新号の「Flash」の記事の中でも書いていることなんですが、多くの人がトランプさんの掲げるアメリカ・ファーストの意味を履き違えているのです。ではどういう意味なのか、同誌の記事本文からその部分を転載します。
「アメリカの国内問題が第一(ファースト)。外国のことはセカンド(二の次)だ」、つまり「若者を外国との戦争で死なせるな」という思想だ。共和党はもともと保守的な、地方の中小企業家や農場経営者が作り育てていった政党だ。彼らはアメリカが世界に出ていって、世界中をカネと軍事力で支配するグローバリズムに反対だった。トランプがあらためて言い出した「アメリカ・ファースト!」はもともと共和党の伝統なのだ」(FLASH 2016年11月29日・12月6日合併号、「トランプ対日本」次なる大予測14項より。原文ママ)
とどのつまりアメリカ・ファーストが意味するのはこれまで世界戦略にばかり重点を置いていた政府の方針を、国内の政策メインに切り替えようということであり、それは敢えて言うのであれば「国民の生活が第一」という我らが小沢一郎さんの掲げる概念と親和性があるものなんですね。そういう背景を知ってか知らずか、小沢さんはこれまで何度かトランプさんに関して比較的好意的な書き方をしています。たとえば今月6月の生活の党(当時)の機関紙にはこんな文面がありました。
海外に目を向けると、アメリカの大統領候補車選びで共和党のトランプ氏や民主とのサンダース氏の歯切れの良い主張が多くの国民の支持を集めています。その内容はさておき、彼らの真剣に国を憂う気持ちが伝わり、有権者の心を動かしたのだと思います。日本の野党も、自分たちの議席を守るためなどという狭い考えを捨てて、安倍政治を止め、国民生活や日本の将来を守るという高い志を国民の前に示すべきです。
ホントにそう!野党(とりわけ民進党)のだらしなさは支持母体の何のと結局保身第一がゆえのもの。山本太郎さんを擁する政党だからこそ言えることなんでしょうね...。そして今回の
選挙後に発表した談話にはこうあります。
このたびアメリカ大統領選挙で当選されたドナルド・トランプ氏に対し、率直に祝意を申し上げたい。今回のトランプ氏の勝利は、米国におけるさまざまな課題の解決に向け、既存のしがらみにとらわれないその政治姿勢や手法に、米国民の大きな期待が集まった結果であると認識している。
シナガー、キョクウガー、ポピュリズムガーとファビョってる大手メディアや御用ジャーナリストとの落差w まぁそんな小沢さんや先述の山本さんも不正選挙に関してはノーコメントだったり、不自然なまでに避けているようなところもあり、この人たちももしや・・・と勘ぐってしまうところもあるにはあるのですがw
ともあれ民主党時代から一貫してTPPに反対していた小沢さん。勿論そのことについても言及しています。まぁこれは小沢さんの事務所スタッフが書いたものであり、小沢さん本人のコメントということではないのですが、おそらく大して見解に違いはないことと思われます。しかしながらTPPは一体どうなるのでしょうか。次はそのことについてお話したいと思います。
2、漂流するTPP
このブログで初めてTPPを取り上げたのはもう6年前のこと。その1年後には連載もやりました。その後も事ある毎に言及してきましたし、TPPに関してずっと関心を持ち続けてきた論客のひとりであるというふうに自負もしています。
トランプやサンダースが反対を表明したのを受けて、最終的にはヒラリーをも一応はTPP反対を表明する始末であり、もはや漂流必至のTPP。しかしながら安倍政権はなぜか強行採決までしてこれを承認しようというのですからもう意味が分かりません。メディアもメディアですよ。かつてはISD条項にも言及していた神戸新聞ですが、そこも今となっては先程のようなテイタラクですからね。
TPPに関するものも取り立てて読む価値は感じませんでしたので割愛します。逆に少しまともなのが
京都新聞。これは11月11日の社説から...
TPP強行可決 頭冷やし政策練り直せ
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20161111_3.html
TPPは参加12カ国で経済規模が大きい日米が批准しなければ発効しない。米大統領選では2候補とも反対を唱えたが、日本政府はオバマ氏の残り任期中に議会承認が進み、路線継承を掲げるクリントン氏なら容認すると期待。日本が先行して米国に批准を促し、再交渉要求も封じるとしていた。このシナリオは崩れた。トランプ氏は選挙中から、大統領就任日に離脱を宣言し、他国に再交渉も求めないとしてきた。TPPは国内雇用を奪うと批判し、労働者層の支持を取り込んだ経緯からも簡単に翻意は考えにくい。米議会で多数派を占める共和党の重鎮も、年内のオバマ政権下での議会承認見送りを明言している。
なのに安倍政権がTPPに固執するのは、看板のアベノミクスが失速する中、成長戦略の起爆剤として期待をつなぐためだろう。何が何でもという姿勢は衆院審議でも目立った。国内農業や食の安全への影響、企業が進出した国を訴えられる「ISDS条項」などの懸念に対し、政府はプラス面を強調するばかりで、国民の不安を拭う具体的説明は聞かれなかった。
だが、新たな局面から目を背けてはなるまい。トランプ氏は、TPPに代えて各国と個別の通商協定を結ぶとしている。自動車などの対日赤字をやり玉に挙げ、日本の円安誘導を批判してきた。米国の政策転換は日本の輸出企業の打撃となり、円安効果に頼ってきたアベノミクス自体を揺るがしうる。英国の欧州連合(EU)離脱に続き、急速な自由経済圏づくりの潮目の変化に日本がどう対応し、いかに成長戦略を再構築するのか、腰を据えた議論が必要だ。
これ正直驚きました。ここまで踏み込んだ内容を書けるなんてまだまだ京都新聞も捨てたもんじゃないと思いますよ。スタンスとしては僕とあまり変わりないように思うんですけどね。ホントに何を以て僕をハブってるのかは皆目見当もつきませんが、お互いのためにももう止めませんかというのが率直な意見ですw まぁでも安倍政権がTPPに執着するのは成長戦略云々以上に、対米従属の姿勢を示すことにあるような気はしてるんですけどね。或いは中国包囲網(笑)の一環としてTPPを捉えているのかもしれませんし(呆)
でも自民党ってそもそもはTPP反対だったはずなんですけどね。
それについて突っ込まれると安倍ちゃんはファビョり出す始末のようですし、ついでに言えば安倍信者にして5.07事件の主犯でもある田中芳也も似たようなもんでした。どうにも彼らは似たり寄ったりなのです。ま、またこの記事を見てファビョるんでしょうけどw
・芸のない民進党w
ま、野党も相変わらずの頼り無さなんですけどね。強行採決もホントに止める気あるんだったら不信任案の連発とか牛歩戦術とかフィリバスターとかなんぼでもやり方はあるのに相も変わらずプラカード。民進党がフリップ芸好きなのは分かりましたけど、滑ってるのが分からないんですかね。まぁこないだ言ったように今の国会はプロレスですからね。自民に負けるのが大前提の上で戦ってるのが殆どなんですよ。度重なる不正選挙の結果、国会はそんなゴロツキでいっぱいになってしまったようなのです・・・。
3、今週のキニナル!
定番にするかどうかはわからないのですが、週刊ニュースに抱き合わせる形で僕が最近見つけた「これは!」という記事やネタについて紹介&吟味するコーナーをつくろうと思うのです。今週話題として上げるのはコチラの記事。
・空き家の家主7割が「放置でOK」、国の対策が空振りする理由(ダイヤモンド・オンライン)
http://diamond.jp/articles/-/106720?utm_medium=social&utm_source=facebook&utm_campaign=feed
いつぞやに言ったような気がするのですが、京都市は空き家が多いことが時たま問題として上がることがあります。
平成20年のデータによると、市内の空き家率は14.1%。我が伏見区は11.9%と割合で見ると市内では少なめに感じるのですが実数にすると16540 戸と行政区内では一番の多さ。そういうワケで空き家問題にはちょっと関心があったのですね。そこで見つけたのが先ほどの記事。
記事にもあるように、空家が増えると、火災や倒壊のリスクが増すとともに不法入居者が集まる心配も生まれるなど治安の悪化をも招きかねません。景観的にも良いとは言えませんし、地域にとってマイナスしかもたらさないのです。しかしながら、何故空家というものは増えるのか。この記事で理由として挙げられているのは、そもそも空き家の所有者があまり困っていないということ。逆に言えばほっておくのが一番コストがかからないからなのですね。それゆえ空き家所有者の実に71%が「何もしていない」というのが実情なのだそうな。ではこの71%をいかにして動かすのか。この記事の中で出てくる
株式会社うるるはそこに目をつけたようです。
所有する物件にどんなニーズがあるのか、どんな選択肢があるのかを見せるところから始めないといけないと思いました。でなければ71%の人たちは動かない。
よく求人サイドと求職者サイドのミスマッチというのが問題になったりしますが、ここにも似たような問題があるようなのです。その空家にどういう価値があるのか、逆に探している側はどういう場所を探しているのか。この両者を結びつける役割を担うセクションが実はあまり無かったのですね。事実京都でもこういう取り組みについてはあまり聞いたことがありません。しかしながら京都は空き家の多い町ですし、先述したように空き家の増加は街のレベルを落としがちですのでこれは急務ですよ。ま、僕は役所の人でも何でもないのでこうして考えることしかできませんが、いつかこういうまちづくりに関する知識や所感もこの街に還元できればいいなとぼんやりと考えつつ日々勉強している。そんな感じですね。ま、話は尽きませんが、今日はこれからちょっと行きたいところもありますので一旦ここで失礼したいと思います。それでは皆さんハヴァナイスデー!