~おカネのハナシ~
キングコングの西野さんが「お金の奴隷解放宣言」と名して自身の出版した絵本作品である「えんとつ町のプペル」をネットで無料公開し、ちょっとした論争を巻き起こしている。西野さんはここに至った経緯を自らのブログで次のように述べている。(以下こちらより転載)
『えんとつ町のプペル』は2000円です。
色を綺麗に出す為に特殊なインクを使っていて、使用するインクの数も一般的な作品より多く、そしてページ数も多いので、2000円という値段設定はギリギリまで頑張ったのですが、それでも2000円。たしかに、小学生からしてみると大金で、自分の意思で買うことは難しいです。
実は、ここ数日、このことがずっと気にかかっていました。
《自分は『えんとつ町のプペル』を子供にも届けたいのに、たった「お金」という理由で、受けとりたくても受けとれない子がいる。》
双方が求めているのに、『お金』なんかに「ちょっと待った!」をかけられているのです。
お金を持っている人は見ることができて、
お金を持っていない人は見ることができない。
「なんで、人間が幸せになる為に発明した『お金』に、支配され、格差が生まれてんの?」
と思いました。そして、『お金』にペースを握られていることが当たり前になっていることに猛烈な気持ち悪さを覚えました。
「お金が無い人には見せませーん」ってナンダ?
糞ダセー。
……いや、モノによっては、そういうモノがあってもいいのかもしれません(←ここ大事!ニュースになると切り取られる部分ね)。
しかし、はたして全てのモノが『お金』を介さないといけないのでしょうか?
西野さんの言わんとするところは分からなくもない。事実お金の有無で僕たちはあらゆるものにアクセスする機会を左右されている。それを解消すべく西野さんは無料で作品を公開した。話だけ聞くと良心的であり何も問題はないかのように思える。しかし...である。
キンコン西野の話がこれほど激怒されているのは、現実にPixivで露出した絵師さんがめちゃくちゃな値段で買い叩かれてソシャゲ作られたりとかがすでに日常の風景なので、この一件をもって搾取にかかる奴なんか死ぬ程出てくるしそれに逆らえない駆け出しクリエイターも山程いるからだよなと思うよ…— はなびら葵 (@hollyhockpetal) 2017年1月19日
まず最初に確認すべきことは、この絵本は西野さんが一人で書いたものではなく、何人ものクリエイターの協力があって完成した作品なのであり、また同作品は幻冬舎という会社を通じて流通しているものであるということ。恐らく西野さんもあちこちに掛け合った上で「宣言」に踏み切ったのではあるのだろうがあまりに言葉足らずだった。
キンコン西野さんの一件、彼は絵本活動を熱心にしていても絵本を取り巻く社会や世界は一切知らないんだなと。そういうお金のない人が読める様に図書館があり昔から児童書と図書館は密接な繋がりがある。無料を宣言せずにさっさと図書館などに寄贈すればいい。その視野は絵本に関わる者には正直辛い— ダメレッド(OGA-SAN) (@damepapamax) 2017年1月19日
そもそもこの人の言うように、もしも「買いたくても買えない子どものために」と言うのであれば図書館や児童館に寄付すればいいだけの話なのだ。何故ネットでの無料公開という手段を取ったのか、そしてその行為は我々を「お金」という呪縛から解放するような効果を持っているのか?僕は大いに疑問に思う。
「えんとつ町のプペル」Amazonで1位に 無料公開で宣伝効果 「クリエイターの対価問題は別の話」 西野さん、批判に反論 https://t.co/aKHLZkcFO6 pic.twitter.com/UOL0ATaJIa— ITmedia ニュース (@itmedia_news) 2017年1月20日
尤もマーケティングとしては見事だ。それはしっかりと数字として表れている。そもそも西野さんがさっきの記事で言っていたように、僕らは内容を知っているものであっても欲しくなるし所有したくなりものだ。入りは動画サイトのPVであったとしても本当に気に入ったアーティストのものであれば買いたくなるものだし、それは映画やコントでも同様だろう。出版業界や音楽業界は真摯にこの事実と向き合うべきだ。
そう言えば皮肉にもこの一件で評価が上がっている人たちがいる。それはラーメンズだ。彼らは今年の元日に100本ものコント作品の動画をYouTubeにアップした。しかもアフィリエイトで得た収入を被災地に寄付することをも発表している。事の顛末を丁寧に書いている点も大いに評価すべきだろう。仕事人としてのプロ意識はラーメンズの方が格段上に感じる。
さきほど「お金は格差しか生まない。お金の奴隷解放宣言だ」と自身の関わった著書をウェブで無料公開した西野さんをボロカスに叩きましたが、無料公開サイトにがっつりアフィリが貼られているので、これは西野さんの体を張った渾身のギャグである可能性が出てまいりました。— 深爪@重版御礼「深爪式」絶賛発売中 (@fukazume_taro) 2017年1月19日
そう言えば西野さんの作品公開サイトにもアフィリエイトが貼られている。果たしてここで得られた収入はどこに行くのか。協力した数多のクリエイターにそれが流れるということであればいいのだが...。もしも西野さん本人に行くのだとしたら、解放宣言を出した張本人が「お金の奴隷」から解放されていないという奇っ怪な事態になりかねない。そうならないことを切に願う。
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ということで今回はドンキーコングの西岡さんの騒動(?)をきっかけとして思うところを書いてみました。あー、ちなみに我がブログにもアフィリエイトは多数ありますが、それらで得られた収入は駆け出しのしがないジャーナリストの糧になるようになっています。間違っても小説を全く書こうとしない自称作者の酒代に消えるワケではありませんのでw
え、なんで何の関係もない電子辞書の広告かって?ホラもう言ってる間に新生活シーズンですし入り用かと思って...。昨今の電子辞書の進化は目まぐるしいものがありますよ。間違っても利率が高い商品のリンクを適当に貼り付けたとかそういうんじゃありません。みんなでお金の奴隷から解放されましょうよw まぁ悪ふざけはそこそこにして、僕はそろそろ夕食の準備でもしたいと思います。(明日も仕事ですしね^ ^;)それでは皆さんごきげんよう、ジベリ!
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