先日は森本防衛大臣についてお話したのですが、もう一つ今回の人事で見逃せないのが法務大臣の交代劇なのです。実は前法相の小川敏夫さん、あることを実行しようとしていたのです。具体的な話は追ってしていくことにしますが、簡単に言うとある事件に対してある権限を発動させようとしていたのです。(注:政治学科という場所の性格上、法学部を出ていながら僕は憲法・行政法・国際法以外の法律系科目を勉強しないままに現在に至ってしまったため、今日の記事ではウィキ先生のお世話になっていますw)
実は法務大臣は各検察官に対して指揮命令ができる一般的に「指揮権」と飛ばれる権限を有するとされているのです。注意してもらいたいのは‘一般的に’という点。では個々の事件に対してはどうなのか?というと「検事総長のみを指揮できる」という但し書き付きになるワケです。実際この「指揮権」なる権限を発動させた例は過去に一度しかありません。その時の法務大臣は5・15事件で犠牲になった犬養毅首相の三男にあたる犬養健という人物。彼は佐藤栄作(当時自由党幹事長)を1954年の造船収賄事件(いわゆる造船疑獄)から逃れさせるためにこの権限を発動させたのでした。そもそも「指揮権」というものは起訴権限を独占する検察権力へのチェックアンドバランスを狙って作られたものだったのですが、それが一政治家の保身に使われてしまったことへの批判は大きく、彼は大臣を辞することとなり、また同時に政治生命そのものを事実上断たれることとなったのでした。とはいえこれは彼の独断というワケではなく吉田内閣としての決定だったという傾向が強く、実際なかなか指揮権を発動しない犬養大臣を吉田首相は「罷免させて新しい大臣に(以下略...)」とまで後に語っています。
法務省の訓令である処分請訓規程(昭和二十三年法務庁検務局秘第三六号訓令)と破壊活動防止法違反事件請訓規程(昭和二七年法務府検務局秘第一五七〇号訓令)では検事総長が法務大臣の指揮を受けるべき事件として「内乱罪、外患罪、国交に関する罪等」・「破壊活動防止法違反」など国家の存亡にかかわるような事例を提示しています。決して個人の政治思想的理由や増してや特定の人物及び団体の保身のために発動していいものではないのです。
小川大臣はある事件に対してこの半ばタブーとされてきた権限である「指揮権」を発動しようとしていたのです。その事件とは何か?陸山会事件です。虚偽の捜査報告書を作成した東京地検特捜部の田代検事を起訴すべくこの権限の発動を試みていたのです。何度も言うようですがあの裁判は完全な茶番です。状況証拠も無しに「そうなんだろう」というだけの理由で裁判が続けられていたのですから、あの裁判への介入は一政治家の保身という一言では片付けられないのです。「検察へのチェック」という意味で正当性があり、加えてそもそも東京地検特捜部の裏にどこぞのウォール街の連中の思惑があることを考えれば、それを阻止するのは国家の正当防衛であるという意味でも先述の条件を満たします。大臣は正しいことをしようとしていたのです。まぁそれを野田首相に相談したのが運の尽きだったというほかはありません。当然承認は得られずしかも事実上首を切られるテイタラクですからね。自爆覚悟で強行突破ということもできたみたいですし、その点に関しては脇が甘かったのか、はたまたそれほどの覚悟を持ち合わせていなかったのか...。
・参考:6月5日毎日新聞紙面(毎日なんぞ所詮、創価の新聞なので社説などは大して読む価値はありませんが、少なくとも何があったかを推し量る材料にはなるのですねw)
まぁ小川さん自体が色々と問題のある人物であり、外国人参政権や人権委員会の設立を推進する彼を僕が支持するワケもないのですが、ただこの行動に関しては間違っていないと思ったのでちょっと記事にまとめてみました。まぁでも後任の滝実さんもわりとまともそうな人なので...。(消費税増税推進派なのは頂けませんけど^^;)
それに何せ前大臣が‘タブー’に挑んでまでやろうとしたことに対して新大臣とて何のアクションも起こさないということは許されないでしょうから今後の動向に注目したいところです。それにしてもあれですね。野田ってホントにカスですね。誰ですか?あんなのに投票したヤツは。世の中にはけしからんバカが居るものですね。どうせバカならせめて笑えるバカになって貰いたいものです。そんなワケですが今日はこの辺で失礼します,ジベリ!
0 件のコメント:
コメントを投稿