「いま、企業が成功を収めようと思ったら、アップル社のiPadのようにきわめて革新性の強い商品を作り出すか、リッツカートルンのように突出したサービスを提供するか2つに一つしかない」
という若干ツッコミどころありげな一文から始まるのですが、日本の会社が「どちらも出来ずに伸び悩んでいる」というのは紛れもない事実でしょう。「ものつくり大国」と言われた日本は一体どこに行ってしまったのでしょう...。そして、そもそもどうしてこのような事態になってしまったのでしょうか?その答えを著者は「効率性を追求しすぎた」ことに見出します。正直一読してハッとしました。言われてみればそうかもしれません。新自由主義的な‘合理性の追求’を追求するあまり、日本の会社の多くからは隙間の部分や‘余計なもの’が一切取り除かれてしまったのです。それはそれで一見小奇麗にも見えるのですが、言い換えればそれはただ単に窮屈で伸び代がない空間に他ならないのです。
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なるべく没個性的な人物を採用し、マニュアルを徹底して画一的な社員を作り上げる。これでは新しい意見など出てくるはずもありません。しかもサービス残業などでオフの時間をやみくもに削り、ずっと会社に拘束されているような状況を作り上げている...。精神的にも肉体的にも余裕のない日常の中では妙案など出てくるはずもないのです。‘余裕’とか‘遊び心’ってやっぱり大切なんですよ。ソフト面においてもハード面においても一見非効率な「余白」を作り出すことが出来れば、今この国に充満している‘閉塞感’を打ち破ることも出来るんじゃないかな?とこの記事を読んでて思った次第です。もともと僕らは創造性に富んだ国民だった筈なんです。それを取り戻すためにこそ一見非効率で余計に見えるものを、もう一度社会に取り入れることが必要なんだと思います。学校にしろ会社にせよ、恐らくそういう視点が欠落してるんですよ。「余白を楽しむ」、そういう精神で行きましょうよ?たとえば会社だったらサービス残業を取り止めるとか、体育会系信仰を捨てるとか、或いは社員に有給を消化させるとか...。学校現場だったら指導要領を少し減らすとかクラスにアシスタント制を導入して教員の事務作業等を軽減するとか....。そんなことでいいんですよ。その余白からきっと閉塞感を打ち破る‘何か’が出てくるんだと思います。
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いつもに増して抽象的な話しになってしまったのですが、とにかく個人的に面白い着眼点だと思ったので記事にまとめてみたまでです。他にも同誌にはLCC(ローコストキャリア)のカラクリについて書かれている記事やセブンイレブンのいわゆる「ドミナント戦略」について書かれている記事も載っており、読みどころ満載と言ったところです。いや正直、ビジネス誌も捨てたもんじゃないですよ。(ちょっと政治誌寄りですが「東洋経済」なんかも面白いですね。)そういうワケなので、機会があったら皆さんも読んでみて下さい。それでは今日はこの辺で失礼します,ジベリ!
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