タイトルを見て「ん?」と思った方が恐らく大多数だと思うのですが、今回はこの若干無理矢理感のある考察を展開していきたいと思います。
まず参勤交代について。これは言わずもがな江戸時代における幕藩体制を支える主要な制度の一つであり、大名に国元と江戸とを1年交代で往復させ、また大名の妻子を江戸に住まわせる(山川出版社:評説日本史より引用)といった感じのものでした。どうしてわざわざそんなことさせるのかと思う方もいらっしゃると思いますが何のことはありません。そうしてお金を使わせる(実際参勤交代はかなりの出費を伴いました)ことによって、各藩が軍備にお金を回せないようにし、結果として反乱を抑え込もうという意図から作られた制度に過ぎず、それ以上でもそれ以下でもないのです。江戸時代はローマの平和を意味する「パクス・ロマーナ」をもじって「パクス・トクガワ―ナ」とも呼ばれる平穏の時代だったワケですが、それは一重に徳川家康以来のしたたかな’戦略’に基づくものだったと言えるでしょう。(因みに参勤交代は徳川家光が導入した。)
さて、ここまで聞いてもどうしてこの流れでIMF(国際通貨基金)が出てくるのかサッパリ分からないと思います。そもそも皆さん恐らくIMFが一体何なのかというコトについてよく分かってないと思うんですよ。というか僕自身も深く勉強するまで一体この組織が何をやっているのか理解できていませんでした。ただ少し国際情勢を知っている方であれば、この組織に対して「何か偉そうだ」とか「一体何様なんだ」みたいな感情は抱いているかもしれません。(僕もホントつい最近まではその程度の認識でしたw)まぁ何かいけすかない団体であることは言うまでもないのですが、では果たしてIMFとは具体的に何をやっているのでしょうか。簡単に言えば為替相場と通貨の安定化を目的とした国連の専門機関の一つであり、その本部はワシントンDCに置かれています。世界銀行とともに国際金融秩序を支える要であるとされ、各国の中央銀行のまとめ役のような役割を担っているところと思っていて貰えれば相違ないことかと思われます。
ここで一つの疑問が生まれます。国連の組織の一部ということはIMFはどの国にも偏っていない中立的なものなのでしょうか?残念ながらそうは言えません。そもそもこの組織自体、アメリカがブレトン・ウッズ協定を機として発起人となって作ったものを、のちに国連が協定を結んで専門機関としたものであり、先程「通貨の安定化」とは言いましたが、ブレトン・ウッズ協定の下で作られたという経緯からも分かるようにそれは裏を返せばドル本位制の安定を目的にしたものなんです。そしてご存知の通り、アメリカは今ジリ貧で、自国の国債をFRB(連邦準備制度:日本で言うところの日銀に相当するアメリカの中央銀行だが、どういうワケか民間企業の形を取っている。)に買って貰い、なんとか食いつないでいるような状態なんですね。ドル安は止む気配が無く、よしんばユーロ危機が無ければ(或いは欧州の通貨統合が無ければ)、もっと危機的な状況になっていた可能性すらあるのです。
~今年6月の各国のIMFへの拠出額~
(⇒直接の狙いは欧州経済危機への対応資金)
日本→600億ドル
ドイツ→547億ドル
中国→430億ドル
イギリス、韓国→150億ドル
ブラジル、インド、ロシア→それぞれ100億ドル
フィンランド→50億ドル
あれ...アメリカが居ない!?(参照:6月20日のしんぶん赤旗)
ドルの供給量が減れば、それはすなわち基軸通貨の地位が脅かされることとなります。そこで...です。IMFは日本やドイツ、更には新興国のBRICS諸国に出資させて全体の底下げを図ろうとしているのです。出資することで権限が拡大すればそれはそれでいいようなものなのですが、果たしてどうでしょう?BRICS各国は早速非公式の会合を開いてIMFの議会県改革など拠出金増に伴う権限拡大を訴えていますが、ひょこひょこと最大の拠出金を収めようとしている野田政権は特に何の発言も無し。カネを出すだけで何の戦略もありません。っていうか600億ドルって凄いですよ。1ドル90円計算でも5兆4000億円ですから。それで「お金が無いから消費税上げます」って言われてもね...。説得力なんてあったもんじゃないですよ。ホント腹立たしい話です。皆さんも怒っていいですよ。それでは今日はこの辺で失礼します,ジベリ!
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