2016年5月4日水曜日

春季京都非公開文化財特別公開@大黒寺

・屋根より高くないけど鯉のぼり(七瀬川町にて)

今日は本来であれば仕事の予定だったのですが、先方と折り合いがつかなかったことで結局キャンセルに。またノマドワーカーの愚痴を延々と書くのもアレなので、これが休みになったお陰で行くことの出来た大黒寺の非公開文化財の特別公開について書きたいと思います。

・イベントのポスター

春季京都非公開文化財特別公開というのは 公益財団法人である京都古文化保存協会というところが主体となって先月の29日から今月の8日までの10日間にわたって開催しているもので、京都市の16の寺社、八幡市の1つの神社の計17箇所が普段非公開の文化財を特別に公開する...というのが主たる催しごとの主旨となります。

・長建寺(先月3日来訪時)

我が伏見区からは今日行ってきた大黒寺のほかに、このブログでもお馴染みの城南宮や安楽寿院、御香宮神社に長建寺。更には伏見稲荷大社や瑞光寺、醍醐の永福寺など3つの寺院と合計で10もの寺社がこのイベントに参加したのでありました。


・薩摩寺の別名を持つ大黒寺

まぁ丁度GWということで普段は基本的に閑散としている大黒寺もわりと賑わってましたよ。何せ本尊の大黒天は原則として60年に一度しか開帳されないものですからね。そもそもご本尊が大黒天っていうのは全国でもここだけ。そりゃ賑わいますよ...

・パンフレットとか入場券とか

でも拝観料800円は正直ちょっと高いかなと。2箇所回った時点で2000円近いお金が飛ぶワケですからね。折角の機会なので色々周ってもらうことを想定すると、やはり500~600円、或いは周れば周るほどお得になるセット券みたいなのがあるといいんじゃないかなと言ったところ。

・平田靱負の墓は丁度薩摩九烈士の墓の向かい側にある

中ではそのご本尊にお参りできるほか、かつて西郷隆盛ら薩摩藩士が寝泊まりしていたという場所の見学や円山応挙の絵画を見たりすることもできます。また中には京女のサークルから来た学生さんがいて、ガイドもしてくれます。あ、そうそう。大黒寺の墓地といえば薩摩九烈士のものが有名ですけど、その他にも薩摩藩に深い関係を持つ人物のお墓があります。それが平田靱負(ゆきえ)という人物。




この人は江戸時代中期、18世紀中頃の人で薩摩藩の家老を務めていた人物でした。江戸幕府にとって脅威そのものである薩摩藩は何かと幕府から嫌がらせを受けていたというのは有名な話ですが、その一環で木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)の治水事業を任された薩摩藩。当時既に財政の芳しくなかった薩摩では幕府と一戦交えるべしとの強硬論まで飛び出す始末でした。平田はそれをなんとか抑えて治水事業に当たるのですが、工事は難航。背景には工事そのものの難しさに加えて幕府の妨害という要因もあったといいます。




しかし薩摩は借金をしながらも何とか工事を完成させ、地元の人達には大いに喜ばれたといいます。とはいえ、ただでさえ苦しい藩の財政を更に圧迫してしまったことに責任を感じた平田靱負は自害。実は平田を含めて53名もの自殺者がこの工事に際して薩摩から出ています。それは幕府へのある種の抗議自殺だったのですが、何と監視役であるはずの幕府からも2名、自殺者が出ているそうな...。薩摩への同情からということですが、何とも男気を感じるエピソードです。平田を含めた殉職者およびこの工事に携わった人たちは薩摩義士(或いは宝暦治水の義士)と呼ばれ地元民や故郷の薩摩の人たちからも多くの尊敬を集めているといいます。

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これも一種の武士道ですね。大和民族ではなく薩摩隼人を起源に持つとされ、一界隈では戦闘民族と畏れられる薩摩の人々。しかし、ただ力が強いだけではなくある種の美学を有していたのでしょう。平田靱負、そして治水工事に携わった薩摩藩士たち。何とも熱い話です。

・焼きそばパン!

その後、自転車でもう少し走っていつものササキパンでお買い物。パンを食べながら一休み。十石船は今年も絶賛運航中。新緑の中を突き進むのもオツなものですよ。

・今回の銭湯はこちら!

それからまた商店街で買い物をして、その後銭湯へ。今回行ったのは丹波橋の菊湯というところ。まぁ何の変哲も無い銭湯といえばそれまでですが、見てくださいよこの佇まい。何とも言えない趣があるでしょ?こういうのがいいんですって銭湯は。ちなみに定休日は火曜と土曜で、営業時間は15時半~21時とのこと。

・出店がいっぱいの藤森神社

帰り道には藤森神社にちょっと寄り道。明日はいよいよ藤森祭ですよ!ということでまたお神輿を見に行きたいと思います。そんなところでありますが、本日はこれにてお暇します。ジベリ!!

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