2010年9月29日水曜日

尖閣問題とか...

今日は最近のニュースで気になった問題について話します。一つ目は例のあれで、もう一つはちょっとローカルなニュースを...。でも両方,僕としてはタイヘンな問題だと思うワケです。ちょっと難しい内容になるかもしれませんが、皆さんどうぞお読みください。


1、尖閣諸島問題への所見

今回の日本政府の処置は、間違いなく失敗です。政治・外交以前に、そもそも「法の正義」に背く行為なのです。日本国内で起きた事件の加害者を、日本の法律に則って処罰するのは当然のことです。それは相手が日本人であれアメリカ人であれ中国人であれドイツ人であれ、どこの誰であっても変えてはいけない筈です。これは間違いなく法への冒涜です。この国は法治国家ではなく放置国家になってしまうのでしょうか?

~大津事件と今回の騒動~
皆さんは大津事件を知っていますか?明治初期の1891年,当時皇太子だったニコライ(のちのニコライ二世)は、親善と示威目的で大艦隊とともに来日します。そして神戸,京都を経て、大津の路上に差しかかった際,警備をしていた津田三蔵巡査に突如サーベルで斬りつけられ、重傷を負いました。

これに対してロシアは激怒,容疑者の処刑を求めます。大国ロシアを前に政府中枢でも議論は紛糾しましたが、大審院(現:最高裁)の院長であった児島惟謙(これたか)は、「法律は国家の精神であり、これを断固として守ることが国家に対する忠義です」としてこの要求を聞き入れず、ダメ押しに「法律を曲げることをすれば、諸外国は軽蔑侮蔑の念を増長し、非理不法の要求を突き付けられることに繋がりかねない」と文書で釈明。結局,無期懲役を宣告するに留まったのでした。ロシアは当初こそこの対応に不快感を示しますが、「日本の法律でそうなっているのなら仕方が無い」と後に理解を示し、加えて政府及び天皇陛下の真摯な謝罪を受け、その誠実な姿勢を前に、遂に許した...といいます。

さて,では今回の事件を振り返ってみましょう。今回,日本政府は犯罪者である中国の漁師(兵隊だと思うけどw)を、中国との経済的な繋がりという目先の利益に囚われ、適正な処罰を取ることなく法的手続きを踏むことなく釈放してしまいました。これはいたずらに国益を失わせ、国の尊厳を貶める行動であり、また,「法の正義」に背く国際的・歴史的な失態です。民主党首脳部には猛省を求めます!


~明白な日本の国土~
尖閣諸島が日本の領土であることは明白なのです。国際法上,無主(住民の居ないところ)の地は領有権を先に主張した国のものになるのですが、日本がここの領有を主張したのは1885年。きっかけは1884年に古賀辰四郎がこの地を探検したことでした。それから約一世紀の間,中国も台湾も、ここの領有権を主張することはありませんでした。領有権を主張するようになったのは1970~80年代,そこに豊富な資源がある,と分かってからのことでした。



~中国も認めていた~
1919年,こんな出来事がありました。中国福建省の漁民が魚釣島付近で遭難し、同島に避難した31人を住民が救助し、全員を中国に送還した...というものなのですが、この時,中華民国政府は日本政府に当てて以下のような感謝状を贈っているのです。


          ・控えおろう,この文面が目に入らぬか!       

まぁこれは刑事ドラマでいう所の「動かぬ証拠」,水戸黄門でいう所の「印籠」といったところでしょう(笑)

上がその時,中華民国(現:台湾)政府から送られた感謝状なのですが、3行目(赤線で囲っているところですね)にっ注目して下さい。そこに‘日本帝国沖縄八重山郡尖閣列島’と書いているのが分かるでしょうか?このように当の本人が‘日本の領土’と認めてるんですよ。だから日本は引け目感じることなんて一つも無いんです。世界に堂々と主張し、こうした‘当たり屋’同然の行為を続ける中国に毅然とした態度で対処すべきなのです。

<参考資料>

・原田義昭さん(前衆議院議員)HP//大津事件について...
http://www.election.ne.jp/10375/84468.html

・しんぶん赤旗(尖閣諸島について)http://www.jcp.or.jp/seisaku/2010/20101004_senkaku_rekisii_kokusaihou.html

2、京都市の「空き缶回収禁止条例」とその波紋

・空き缶回収条例,先送りへ

http://www.kyoto-minpo.net/archives/2010/09/28/post_7221.php

上のニュースに出ているように昨日の審議で採決は先送りにされた模様ですが、ゴミの所有権というのはそもそも法的には曖昧で、凡例を見てもケースバイケース...といったところなのです。この法案が反対されたのは、空き缶回収によって生計を立てざるを得ない状況にあるホームレスを考慮してのことでした。成程,ホームレスにとってこれはまさに「死活問題」です。

では,逆にこの法案が立案された背景を、次は考えましょう。大義名分にされたのは、「空き缶を漁っている音が近所迷惑だから」というものでしたが、殆どの場合,騒音を起こしているのはあくまで業者による回収であり、ホームレスによるものではないんです。京都市がこういう政策を取ろうとしているのは恐らく資源リサイクルによる収益を回復させるためだと思うんですが、それならば寧ろ規制すべきなのは自動車を使って大規模にやっている「業者による回収」なんですよ。

あと,どうしても空き缶回収を禁止したいのなら、まずはホームレス対策を万全にすべきです。まずはセーフティーネットの拡充をするべきなのです。その上で...というのなら大分,問題無くなるのですが、今のままではただの‘弱い者いじめ法案’になってしまうでしょう。

尤も「セーフティーネットの拡充」というのは日本全体で考えるべき問題なんです。現在の日本は、一回,貧困層に落ちた人が、なかなかそこから脱出し辛い仕組みになってるんですよ。いわゆる「新卒主義」っていうのもその一例でしょう。職業訓練,再就職支援,そして何より雇用の創出...と、政府にはせねばならないことが山積みのはずです。

3、おわりに

当初,僕は尖閣問題だけで一つの記事を書く予定だったのですが、書いている途中にニュース番組でこれを見て、急遽,この部分を半ば‘おまけ’のような形で加筆しました。どちらに関するものでもいいので、質問&意見,コメント及びメールにてどうぞ♪

そういうワケなんですが、今日はこの辺で失礼します,ジベリ!

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