2008年6月20日金曜日

サイド・ストーリー/セピアなカラー写真

かなり前の記事になると思うのですが、僕は自分のことについて「いろんな意味で不器用だ」と言っていました。今回は「暗黒年間」のサイドストーリーとして、少し無関係なエピソードを紹介したいと思います。結論から言ってしまうと「失恋談」です。別段,何でもない話なのですが、僕にとってはこれ以前とそれ以後は何か違うのでした。

 高校2年の1学期くらいからこのエピソードは始まります。先述したとおり,僕は学校への興味がめっきり失せてました。でも大学で好きな事を勉強するには必然的に勉強せねばならぬ訳です。高1の暮れ頃からはいよいよ本格的に勉強するようになり、高校入学の少し後から通っていた塾の自習室に篭って勉強に励むことが多くなってました。そんな中,僕にはちょっとした楽しみみたいなのができてました。同じ塾に通う1年上の女性に好意を抱き、次第に会うのが楽しみになってました。話すでも何でも無いのですが、ただそこにいるってだけでなんか満たされた気分になれて、相変わらず嫌な事だらけな日常のことも忘れられ、僕も頑張らねば・・・と思えたのでした。しかし元々対人恐怖症気味で、尚且つ初恋の苦い思い出がある僕は、あと一歩が踏み出せず、話すことさえも出来ないでいました。えっと・・・そうですよね。先に「初恋」についてしたね。
  
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 時は更に遡って小学校後期初恋の相手は小3以来3年間クラスが同じだった人でした。好意を持ち始めたのが小5の頃でした。割と仲も良く話をすることはよくありました。ところが,なんかの拍子に彼女が好きなのが僕の友人だと知り、結局,自分の気持ちを伝えることなく身を引いてしまった。というよくありそうな、なんとも呆気ない幕切れで初恋は終止符を打たれたのでありました。めでたし,めでたし。(って,どこがやあぁぁ!)


 そんなこともありぃの、中学期の「いじめ」に起因する極度の懐疑心ありぃので、しばらく僕は「恋愛」から遠ざかっていたのでした。どうせあと半年もすれば大学に行ってそれっきり会うことも無いだろう,今回は何もしないで、ただの「きれいな思い出」に留めておこう・・・とか考えていたのでした。 

しかし、ある人物のある言葉を聞いて、僕の気持ちは変わりました。ある日,テレビを見ていると僕の尊敬する人物でもある星野仙一さんが言ったのでした。「迷ったときは前に出ろ,何もしないでする後悔だけは絶対にするな。」的なことを。僕は思いました。「そうだよ、コノヤロー!何もしないなんて、そんなのアホじゃんか。ってまんま今の俺だー!」云々・・・。そうだ言わねば。でも待てよ?何って言うんだっけ?話って何すればいいんだ?スターウォーズ?違うか。音楽?って趣味分からんし。最近の連ドラ?よしんば観てなかったら何のこっちゃ分からんし、第一,受験生が真面目にドラマなんか観てるかい!っていうか初めて話すんじゃん俺。のぁぁぁっ,もう訳分からん。なんだかんだ考えてるうちに時間だけが過ぎていって、とうとう入試シーズンが近づいてました。もうこうなれば特攻あるのみ!とりあえず僕は手紙二思いを書き綴って、お守りと一緒に渡すことにしました。そして確かに渡しました。 
 
 しかし案の定玉砕!ですよ。そりゃそうですよね。予想はしてましたよ。でもショックでしたね。もう塾にはしばらく行きたくないっ!とか思ってみたり。結局,その後も何事も無かったかのように行ってはいましたが。それには受験前の彼女に変な気を遣わせたくなかったってのもあったのですが、実際はそれよりも複雑でした。事態が好転することは無いにせよ、一秒でも長く「ここ」にいたい,と。会うのは辛いけど、会えなくなるのはもっと辛い・・・。そんな状態ですから、僕はなんかもうボロボロでした。何やってんだ俺は?もう生まれ変わったらマリモか何かになりたい...と考えてみたり。(なんじゃそりゃ) 

しかし、なぜか僕はフられてから一度も泣いてませんでした。初めて泣いたのは、以前から親しくしていた塾の先生から彼女の大学合格を聞いた後でした。無論,そこでは泣かず、家に帰って部屋で一人になってからですが。理由の分からない「涙」ってあるんですね。今のところそれっきりですが。
 
 彼女がいなくなって、「もはや戦後ではない。」とでも言いたかったところだったのですが、実際にはその後もしばらくは何処かで引きつってました。自習室でも意図的に彼女のよくいた席に着くようになっていたり、まるで模倣か何かのように延々と勉強に耽るよう(彼女も真面目で、よく朝から晩まで自習していた)になっていたり,と...。 

さすがに今は何ともありませんし、どころか今ではあの「失恋」の思い出は、とてもきれいに心の中のアルバムに残ってます。過去の写真の多くは日々、セピアに色あせていくのでしょうが、その一枚は例外のようです。「愛・地球博」の思い出も同じく色あせぬ輝きを放っているのですが、この一枚とはまた別です。全く輝いていないのに錆びもしない。色も無いのに色あせない。そんな一枚です。 

しかし恋愛というものは不思議です,いやはや愛というものは・・・。それを求めた先に「痛み」があるかもしれないとしても、それが毒だと知ったとしても、なぜかそれを求めずにはいられない。事実,僕はまた恋に落ちている。この結末が、いつかここで取り上げられるかもしれない。ハッピーエンドかもしれないし、またバッド・エンドかもしれない。でも今の僕は昔とは少し違う。誰に対して臆病であっても、その人物にだけは立ち向かえる自信があります。その人の為なら命さえ投げ打てる覚悟が・・・。それに僕は信じてますから。いつか「彼女」に会えてよかったと思える日が来ると。だからこそ、今の僕は心から言える気がします。あの失恋に,彼女に。「ありがとう。」と・・・。 

誰かを愛する全ての人の恋が報われることを祈って今日は終わりにしたいと思います,ジベリ!

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