2013年2月12日火曜日

「挑戦者」に厳しい国、日本

YUIさんと小沢一郎さん。この2人には共通することがあります。それは「挑戦者」であるという点です。日本という国はレールの上にいる人には優しいのですが、このレールから外れて何かに挑戦しようとする人たちには厳しい傾向にあります。今日は先述の’2人の革命家’を通じてその日本人の構造的な欠陥とも言うべきものを解き明かしていきたいと思います。

1、アーティストYUIの挑戦
YUIさんは昨年末に自身2度目となる活動休止を発表しました。そして昨年12月31日~1月1日にかけて放送されたCDTVのライブを最後に活動休止に入りました。音楽業界、そして世間の求める‘YUI’と自分の求める音楽との間に大きな溝ができたことがどうやらその原因の一つなのだそうです。ファンの1人としては勿論寂しい気持ちはありますが、あの人がそこまで思って決めたことなのですから応援しようと僕は思ったものです。ところが世間では彼女の決めたことを「我侭だ」という声が少なからずあるというのです。そうした論調は彼女が名前を変えてインディーズでの音楽活動を始めたことが明らかになって以降更に強まることとなり、ある番組では「(YUIさんは)閉店すると言いながら営業している靴屋のようだ」と詐欺師呼ばわりする人まで現れる始末です。

しかしちょっとしたファンであれば知っています。もともとYUIさんはオフのときに時たまバンド活動ををしていたということを。有名になってからもたまに路上で弾き語っていたことを。今回のライブ活動(因みにflower flowerというバンドで活動しているそうな...)はその延長にあるものであり、それ以上でもそれ以下でもないのです。それにしてもflower flowerで彼女はどんな音楽をやっているのでしょうか?是非とも早く聴いてみたいものであります。

ところでYUIさんが音楽業界に嫌気がさした理由として、アイドル的な売り方をしたい事務所との衝突のほかにいわゆるタイアップ商法というものがあるそうな...。タイアップが付けば曲が売れるし、知名度も高くなるからアーティストにとってはいいことばかりのようにも見えてしまうのですが、そうではないのですね。作る曲を制約されることもあるでしょうし、また曲作りのペースだって思い通りにはいかなくなりますから...。自分の作品を大切にするYUIさんだからこそ、自分の曲に対するこだわりはとても強かったのでしょうし、壊されたくない世界観とかメロディって絶対あったと思うんですよね。それでも折り合いを付けながら今までやってきたのだと思うと本当に胸が痛みます。やっぱり一番辛いのはYUIさん自身なんですよね...。同じような思いをしているアーティストもたくさん居ると思うのですが、彼女の「決断」を機に、少し音楽業界とかそれを取り巻く環境も変わっていくといいなと思う次第であります。


2、挑み続ける政治家、小沢一郎
そして小沢一郎さんです。言わずもがな小沢さんは93年の自民党離党&細川連立政権樹立を皮切りとして「壊し屋」の異名を取るほどに政党のスクラップアンドビルドを繰り返してきた人として知られています。多くの人は未だに小沢一郎という人物を「金権政治の権化」だとか「悪徳政治家の代表」のように思っているようですが、実際はそんなことはありません。少なくとも今、国民生活を守る側として戦っているのは小沢さんの方であり、それを排除しようとしている勢力の背景には、やはり星条旗とダビデの星が見え隠れしています。(とはいえかく言う僕も、数年前まではメディアのイメージに‘洗脳’され、特に根拠もなくして小沢さんのことを批判していました。本当に申し訳なく思っています。あの人がどういう思いを胸に政治と向き合っているかは、こちらを見てもらうとよくわかると思います。)

昨年末の総選挙で小沢さんの所属する「日本未来の党」は大敗北を喫しました。(尤も未だ不正選挙の疑念は残りますが...)最終的には代表(当時)の嘉田由紀子までもが小沢さんを攻撃し始める事態となり、程無くして未来の党は分裂することとなりました。そうして誕生したのが「生活の党」であり、その後紆余曲折を経て小沢さんはその党首となるのですが、大手メディアは打ち合わせでもしたかのように批判的な論調を張りました。

というか大手マスメディアは小沢一郎という政治家が何をしても攻撃するのです。裏に引き下がれば「院政だ」と批判し、表に出てくれば「遂に出てきた」とばかりにやっぱりそれはそれで批判する。ここから読み取れるのは大手マスメディアが余程彼を敵視しているということですが、ある意味それは当然の帰結です。つまるところ大手マスメディアは官僚の代弁者なのです。まずこの点を理解しなくては後々の話がわからなくなります。また小沢さんが記者クラブやクロスオーナーシップ(新聞社が放送業(テレビ・ラジオなどのメディア)に資本参加するなど、特定資本が多数のメディアを傘下にして影響を及ぼすこと)の廃止を主張していることもその一因と言えるでしょう。意外に思われる方もいるかもしれませんが、テレビや新聞ほど既得権益に凝り固められた業界はないのです。

それでも小沢さんは諦めません。なぜでしょうか?本当に日本を変えようと、この国を真の独立国にするために戦おうという強い意志があるからです。亀井静香先生にしても小沢先生にしてもそうですが、もう政治家としても若いと言える年ではありません。それでも老体に鞭打って先生方は戦っているんです。それを見て僕たち若い者がどうして動かないでいられるでしょうか。少なくとも僕にはそんなことは出来ませんね...。


3、レールが正しいとは限らない
冒頭で述べたように、日本人というのはレールの上を走っている限りはそうした人物を評価する傾向にあります。逆に言えばレールから外れたり、レールそのものを疑う人に対しては至極厳しいのです。それがいわゆる島国根性の所以なのかどうかはわかりませんが、3.11に端をなす福島の問題はその成れの果てなんじゃないかな?と僕は考えています。「みんなのやってるようにやればいい」、「みんなと違うのは悪いこと」、「とりあえず上に従えばいい」...そういう意識構造が先述の原発の問題を含めた今日この国が抱える多くの問題の根本となっているのではないでしょうか?今こそ国家的な意識改革が必要です。きっとそれは困難を極めるでしょうが、戦う意志のある人はたしかに居ます。僕を含めた志士会の面々だってきっと同じ気持ちだと思います。

ルールを守るのは大切なことです。伝統を守るのはいいことです。しかし、それが間違っていると思ったときはそれを変えていくことだって必要なんです。守るばっかりが保守ではありません。伝統をより良い伝統へと昇華させるために尽力するのが本物の保守ではないでしょうか?戦うフィールドは違いますが、YUIさんも小沢一郎さんも立派な求道者です。こういう人たちがもっと応援されるべきなのです。

0 件のコメント: