2017年5月2日火曜日

BIG HEADのBOYとACTIONするGIRL

・近鉄東寺駅近くの歩道橋より

今日は仕事のあと映画を観に行ってきました。(あ、もう日付は変わってますが、僕が寝るまでが今日ですのでw)映画は元々好きではあるのですが、1度観に行くと2000円近くのお金がフライアウェイすることを考えるとどうしても足が遠のくのが実情。そんな中、有難いのが毎月1日のサービスデー。



今日は丁度その日ということで僕が観てきた映画というのが「夜は短し歩けよ乙女」なのであります。四畳半神話大系でお馴染みのモリミーこと森見登美彦さん原作の小説のアニメ化であります。僕はこの発表を聞いて以来、作品のっかいをずっと楽しみにはしてきていたのですが、1つだけ心配なことがありました。



それは声優さんの問題です。四畳半神話大系では主人公を浅沼晋太郎さんが務め上げ、原作者からも絶賛を受けたのが記憶に新しいところなのですが今回は声優さんではなく俳優で歌手の星野源さんがその大役を担うのです。脇を固める声優陣にはなぜかロバートの秋山さんがいたりと、やや嫌な予感がしていたのです。



宮崎駿さんはいつぞやからか頑なに声優さんをあまり起用しない方針になったのですが、僕はやはりアニメの声優さんは声優を専門にする人が中心になって担うべきだというスタンスなんですよね。もちろん宮崎駿監督の作品の幾つかがその方針により一層味のあるキャラクターを生み出していることがあるのも事実ですし、僕が好きな映画でもある「トイ・ストーリー」や「シュレック」もプロの声優さんではない人が中心になってアフレコをやっていますし、それらの作品は結果として魅力的ですから一概に全てがダメとは言いませんが...



で、問題(?)の本作。星野さんも秋山さんも今後、声優の仕事も定期的にしてほしいくらいの完成度です。特に秋山さんなんて何故の起用なのか皆目見当もつかなかったのですが、蓋を開けてみればこれがパーペキ!(←死語w)勿論星野さんの扮する主人公も浅沼さんほどのインパクトはないものの、声優さんとしてもやっていけそうな完成度。お二方とも今後また機会があれば声のお仕事もやって貰いたいものです。



一方脇を固める声優陣(本職の人たち)もやはり魅力的。ヒロインの花澤香菜さんは元より、神谷浩史さんや甲斐田裕子さんも主役級の声優さんですからね。そんな中で僕が注目したのは休業中の藤原啓治さんに代わって樋口師匠を演じた中井和哉さんですよ。



中井さんといえばロロノア・ゾロに土方十四郎、そして伊達政宗などこれまで魅力的なキャラクターに命を吹き込んできた声優さん。前作で藤原さんの怪演により強烈なインパクトを残しているこのキャラにどういう味付けをするのか僕は注目していたのです。こういうときってヘタするとただのモノマネになってしまいますし、かといってテイストを全く変えると総スカンを食らう危険性もあるワケで、かなり難しい役だったと思うんです。しかしそこは中井さんですよ。四畳半と今作とで微妙に違う樋口師匠のキャラを汲み取ったかのような口調で、且つ藤原さんに似せたトーン...。いやはやこれは流石と言わざるを得ません。MVPは中井さんで決まりでしょう。



とまぁ声優さんのお話はここまでにして、次は内容に話を移しましょう。原作者だけでなく、キャラデザや監督も「四畳半神話大系」と同じ。しかも登場人物には共通のキャラクターもいるということで、まるで続編であるかのような印象も受ける(実際に原作が出版されたのも四畳半...→夜は短し...の順)のですが、2つの世界はいわゆるパラレルワールドであり、この作品には「私」や明石さんは登場しません。必然的に小津も居ないのですが、よく似たキャラクターがとんでもないキーパーソンとして登場していますw あと城ヶ崎もニセ城ヶ崎として登場したり、相変わらず芸が細かい...。神谷さん扮する委員長はきれいな相島といったところでしょうか?主人公&ヒロインのルックスや人となりも何となく四畳半...の私&明石さんの関係に似てはいるのですが、細かく見ると結構違うところもあって、その辺を対比しながら見るのも一興かと思われます。



そして今回も登場する小ネタの数々。前回キーアイテムとして登場したのは海底二万マイルや幻の亀の子束子なんかでしたが、今回はヒロインである黒髪の乙女が探しているラ・タ・タ・タム なる絵本や、にせ電気ブラン、そして赤玉スイートワインなんかがそれに該当するのでしょう。そして京大だったらリアルにありそうなヘンテコサークルも勿論登場。今回のそれはやはり詭弁論部でしょう。どういうワケか今作ではこの意味不明なサークルが何度となく無意味に登場し、挙句には詭弁踊りという踊ってみたらさぞかし疲れそうな踊りまで披露するのですw

・パンフレットとか赤玉スイートワインとか...

あ、そういえばタイトルの説明皆無でしたね。主人公である「先輩」は四畳半...の「私」に負けず劣らずの奥手キャラ。対するヒロインの黒髪の乙女は明石さんにどことなく似通った性格ではあるものの、明石さんよりアクティブで社交的な印象でしょうか。まぁでも恋愛には殆ど興味はなく、主人公の寄せる好意にも委員長に言われるまで気付いていなかったり...。



終盤、「先輩」の寄せる好意を知った彼女は、自分もどこかでずっと彼のことを意識していたことに気付き、彼のもとへと向かいます。なぜかひどい悪天候の中を向かっていく彼女。対する彼の方は彼女が自宅に向かっていると知って脳内会議を始めますが、大方の予想通り大いに紛糾。挙句には前作でも登場したジョニー(たぶん性欲の象徴)がまたもや登場する始末w で、そんなシーンを見ていた僕が思い出したのが、我らがビートモーターズのこの曲だったのです。BIG HEADは頭でっかちという意味のほかにうぬぼれ屋を意味したりもするのですが、気取り屋で頑なに直接的な行動に出ない主人公と、そこにモーションをかける彼女の関係はまさにこの曲のとおりであり、ついでに言うと「バカなファスナー」はまんまジョニー。秋葉さんはもしや森見作品を読んでるのではないかと思ってしまうほどのミラクルなシンクロですよ・・・



ま、実際には今回も主題歌を担当したのはアジカンでビートモはオフィシャルには無関係なのですがw それともう1つ思ったのはアレですね。今回の作品では長そうに見えてあっという間のキャンパスライフが一夜に揶揄されているのですが、成程感覚的にはまるでそのくらいのもんだったなと...。レポートに追われていたのも、論文と格闘していたのも今ではいい思い出。ホントに1日、いや一夜だけでもいいから学生時代に帰ってみたいと思うのは僕だけではないと思われますw




あと今回も実在するお店が作中に登場してたりするんですが、そんな中で今回はムーンウォークというチェーンのショットバーの四条木屋町店が月面独歩の名前で登場していて、それに絡んだ特別カクテルなんかもやっているそうな...。僕もこの店には昔行っていた記憶があるのですが、これをいい機会にまた久々に行ってみようかなと思っていたり。

・いやぁ楽しい時間だった!!(これは劇場にて)

ま、まとめると大満足の映画でしたよと。Twitterにも書いたのですが、ホントにもう1度くらい観に行くかもしれません。ちなみに明日(まぁ時間的には今日だけど)は1日休み。ということで僕はこれから大いに赤玉スイートワインで酔いたいと思います。それでは皆さんまた明日。ジベリ!

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