2010年3月3日水曜日

中南米共同体の展望

普天間の基地問題を巡って日本でもアメリカとの関係を考え直そうとする動きが出てきている次第ですが、一方その頃,中南米では、アメリカを巡る大きな動きがありました。(ソース:赤旗,毎日)

先月23日に閉会したメキシコのプラヤデルカルメンで行われた「中南米カリブ海統一首脳会議(参加国は、アメリカ,カナダと政情不安定中のホンジュラスを除く32カ国)において中南米カリブ海諸国共同体の設立が確認されたのですが、この共同体は極めて画期的なのです。どこが画期的なのか?それは先述したように大国アメリカが参加していないところなのです。

‘アメリカの裏庭’という言葉が端的に表現しているように、中南米はかつてよりアメリカに翻弄されてきました。チリのアジェンデ政権のように、アメリカの思惑により‘民意’が殲滅されたことも少なくはありません。キューバのように、未だにアメリカの圧力を受け続けている国も少なくはありません。今回の会議の参加者の一人であるボリビアのモラレス大統領は、

米国がいるところでは民主主義は保障されない,
社会的公正を伴う平和も保障されない

と,辛辣かつ的を射た一言を口にしています。‘アメリカの裏庭’という言葉が端的に示すように、元来,中南米諸国とアメリカの間には大きすぎる力の壁がありました。しかし,今やどうでしょう?パックス・アメリカーナは終焉を迎え、アメリカ国内でも‘変革’の風が吹き始めています。一方,南米ではブラジルのように経済成長を見せる国や、キューバやベネズエラ,ボリビアのように、反米色を前面に打ち出し、資本主義とは違った方向での国家形成を目指す国々の姿もあります。メキシコのカルデロン大統領は会同議終了に際し、これを‘成功’とした上で、「中南米カリブ地域は団結して前進しなければならない...。」と述べました。


また,冒頭で基地問題について触れましたが、エクアドルは日本に先行してこれに着手し、米軍の基地を撤退させることに成功しています。(ソース:こちらこういう言い方をすると失礼かもしれませんが、エクアドルのような小国でも出来たんですよ?ならば日本だって出来るでしょうよ。パワー・バランスが変わり始めているのですから、出来なくはないんですよ。


・補足:「ニュー・プア」の増加

アメリカ国内では今,「ニュー・プア(新しい貧者)」と呼ばれる人たちが増加しているといいます。長引く不況の中で、雇用状況が悪化,それまで中産階級の暮らしを享受していた人々が、公的扶助に頼らざるを得ない状況に陥っているのです。一方で、未だイラクに居座り続け、本来,内政に割くべき資金を憎悪以外の何も生み出さない戦争に使う...果たしてオバマ大統領はこうした現状を変えることが出来るのでしょうか?「Change」はただのポーズだったのか?それとも「本物」だったのか...。その答えが早かれ遅かれ出ることになるでしょう。
(ソース:しんぶん赤旗)


南米での動きからも分かるように、時代は変化しつつあるのです。あとは各々が‘変化’と向かい合う姿勢を持てるかどうか...でしょう。鳩山政権にはその度量があるのでしょうか?(個人的にはオバマさんに「Trust me」なんて曖昧で弱気なコトを言っている彼にはムリなような気がしますが...。)

まぁ,今日はこの辺で失礼します,ジベリ!
(そして,明日はゼミ4回生の送別会ですwww)

0 件のコメント: